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通訳時に、韓国語では表現しづらい日本語独特のニュアンス_その2

通訳時に、韓国語では表現しづらい日本語独特のニュアンス_その2

日本語の隠された意味は訳しづらい

こんにちは!
Jay consultant 代表取締役の李です。

韓国語ではなかなか表現しづらい日本語独特のニュアンスの第2段です。
前回もお伝えしましたが、韓国語は、日本語と文法が近いし、その他いろいろ共通点が多いので、両者は翻訳しやすいですが、中には、どうしても韓国語へ訳せない日本語独特の表現がいくつか存在します。

今回ご紹介させていただくフレーズは、
・〇〇(動詞)てもらう
・〇〇(名刺)してもらう
という表現です。

このフレーズもよく使いますよね。
「〇〇」に具体的な単語を入れてみます。
例)私は鈴木さんに自分のタスクを手伝ってもらった

この文章には3つの意味が存在していると思います。
① 「鈴木さん(主語)」が「私のタスクを手伝った」という事実
② その行為への感謝の気持ち
③ 鈴木さんのおかげでタスクを完了できたという気持ち

①のみの場合:鈴木さんが私のタスクを手伝った
①+②+③の場合:私は鈴木さんに自分のタスクを手伝ってもらった

という文章になりますが、日本の文化としては、ほぼ全員が①ではなく①+②+③バージョンの文章にするはずです。ただ韓国語では①+②+③を同時に表現できる言い回しが存在しません。

これもまた同じ話になりますが、韓国では、
「何(主語)がどうした」という
実態のみをストレートに伝えます。

実態だけを伝えるには①のみの文章でも問題ないですが、日本の文化としてはやはり②と③の要素が強いですよね。ただ韓国語では②や③を暗に含んだ表現が存在しません。もちろん韓国の文化としても、誰かに手伝ってもらった際は感謝の気持ちはありますが、その場合、実態と気持ちのフレーズを分けて相手に伝えます。

そのため、どちらの日本語でも、私が韓国語へ訳すと、
結果的に「鈴木さんが私のタスクを手伝った」という事実のみを受け手に伝えることになります。

このような背景から、
発信者(日本人):私は鈴木さんに自分のタスクを手伝ってもらった

通訳者(李):「鈴木さんが私(発信者)のタスクを手伝った」へ頭の中で修正

受信者(韓国人):「鈴木さんが私(発信者)のタスクを手伝った」を韓国語へ通訳

という流れになります。

もし①+②+③を私が忠実に再現するなら、下記の分解した意訳が発信者の意図に近くなるのではと思います。

発信者(日本人):私は鈴木さんに自分のタスクを手伝ってもらった

通訳者(李):
① 鈴木さんが私(発信者)のタスクを手伝った
② 鈴木さんには感謝している
③ 私(発信者)のタスクが完了できたのは鈴木さんのおかげである

受信者(韓国人):上記3つの文章を韓国語へ通訳

となると思いますが、ただ果たしてこのような意訳をしてよいものか、私も未だに判断しかねています…

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